2005年 06月 30日
ドイツ国歌雑感 |
(6月30日深夜 ドイツ・メキシコ戦を観ながら)
いま、サッカー・コンフェデ杯(3位決定戦)ドイツ対メキシコを観ています。こ
の後、ブラジル対アルゼンチンの決勝戦が午前3時からあります。二つとも観るつも
りで残り少ない焼酎(宮崎産ー「気分晴ばれ」)の残量を気にしながらの観戦です。
開会式でドイツの国歌が流れてきました。私は大学1年の時喫茶「フロイント」で
ハイドンの「皇帝ー第2楽章」の始めということを知りましたが、この曲がドイツ国
歌であることを知ったのはかなり後年の事でした。英・米・仏とソ連の「インターナ
ショナル」は有名でしたが、ドイツのそれは世界史を勉強して知りました。
この歌は、ヘンデルの曲に1841年ホフマン・フォン・ファラースレーベンが「ド
イツ人の歌」という題名の3つの詞を書きました。それ以前、ハイドンの原題は「神
よ、皇帝フランツを守り給え」でした。
1841年のドイツは1000年近い分裂から、緩やかながらも39の州(シュタット)が集
まってDeutscher Bunt(ドイツの紐帯(連合))とよばれ、一般ドイツ人は国歌(統
合ドイツ)に見立てて歌ったようです。(各州にはそれぞれのシュタットの歌があっ
た)
この歌の歌詞は3番から成っていました。(この三つが時代により、政治的に国歌
として選択された)
1番は39の州が一つに団結することを願う意味の歌詞
2番は栄光のドイツ中世の光景を歌う
3番は権利と自由と平等を39の州がドイツに期待する歌詞
この歌は1870年の普仏戦争・第一世界大戦の時にも歌われました。
この歌が国家行事の中で公式に歌われたのは1890年8月9日の事でした。(鉄血宰相
ビスマルク失脚直前)
その祝典はドイツ北部の島がドイツに返還されたことに伴ったものでしたが、その
とき演奏されたこの歌(1番の歌詞)を近隣諸国は「ドイツに世界制覇」野望ありと
とらえられ、ギクシャク関係になりました。
この歌は1922年(ドイツがラパロ条約でようやく国際社会へ復帰した年)に正式に
国歌と成りました。
1933年ヒットラーが首相となるや、1番のみが国歌となります。(特にHorst-
Wessel-Liedと呼ぶ )(勿論歌わなければ東京都は行政処分ですが、「反逆者」にな
ります)
2次大戦後国歌問題で首相アデナウアーと大統領ホイスとの間で意見の相違を見せ
ますが、(アデナウアー(3番)ホイス(新規な歌))国民の意向は1952年に3番に決
まりました。
1990年ドイツは念願の東ドイツを統合することに成功しました。ところが、ヨー
ロッパ近代史の教訓で、このようなドイツの出現は、近隣諸国にビスマルクかヒト
ラーの再現を招くという危惧を抱かせることになりかねないので、時の独大統領と
コール首相は慎重に意見を交わし、1991年9月、3番のみが国歌であることを他国に向
かって明示しました。(靖国で意固地になってる小泉さん歴史を勉強しましょう!)
3対3で延長戦になりました。まだまだ先が長いですね。勿体ないのでこの文ブログの
「私の歴史夜話」に貼り付けます。
(参考資料)
ご参考までにドイツ国歌を貼り付けます。(メキシコもガンバレ!)
1:
Deutschland, Deutschland uber alles,
Deutschland, Deutschland uber alles,
uber alles in der Welt,
wenn es stets zu Schutz und Trutze
bruderlich zusammen halt,
von der Maas bis an die Memel,
von der Etsch bis an den Belt
Deutschland, Deutschland uber alles,
2:
uber alles in der Welt!
Deutsche Frauen, deutsche Treue,
deutscher Wein und deutscher Sang
sollen in der Welt behalten
ihren alten schonen Klang,
uns zu edler Tat begeistern
unser ganzes Leben lang,
deutsche Frauen, deutsche Treue,
3:
deutscher Wein und deutscher Sang
Einigkeit und Recht und Freiheit
fur das deutsche Vaterland!
Danach last uns alle streben
bruderlich mit Herz und Hand!
Einigkeit und Recht und Freiheit
sind des Gluckes Unterpfand.
Bluh im Glanze deines Gluckes,
bluhe, deutsches Vaterland!
1:
ドイツ、すべてに上回るドイツ
全世界に冠たる国であれ
国家の保護のために力を合わせ
マースからメーメル、エッチュからベルトまで
すべてに冠するドイツであれ
2:
ドイツの女性、忠誠、ワイン、詩歌は
その古き良き評判で全世界に維持される
我々の優秀な行いは命の限り我らを陶酔させる
ドイツ人女性、ドイツの信頼、
ドイツワインとドイツの歌よ
3:
団結、正義、そして自由を
我らが祖国ドイツのために
その為に我らは心と手を通わせ全力を尽くす
団結、正義、自由は成功の礎
幸運の輝きの中で栄え、祖国の為に栄えよ
(ドイツ国歌楽譜)
高 野 啓 一
[Mail] takano-k@ad.sysken.or.jp
[Blog] http://takano001.exblog.jp/ (「やきもの」)
http://takano01.exblog.jp(私の歴史夜話)
いま、サッカー・コンフェデ杯(3位決定戦)ドイツ対メキシコを観ています。こ
の後、ブラジル対アルゼンチンの決勝戦が午前3時からあります。二つとも観るつも
りで残り少ない焼酎(宮崎産ー「気分晴ばれ」)の残量を気にしながらの観戦です。
開会式でドイツの国歌が流れてきました。私は大学1年の時喫茶「フロイント」で
ハイドンの「皇帝ー第2楽章」の始めということを知りましたが、この曲がドイツ国
歌であることを知ったのはかなり後年の事でした。英・米・仏とソ連の「インターナ
ショナル」は有名でしたが、ドイツのそれは世界史を勉強して知りました。
この歌は、ヘンデルの曲に1841年ホフマン・フォン・ファラースレーベンが「ド
イツ人の歌」という題名の3つの詞を書きました。それ以前、ハイドンの原題は「神
よ、皇帝フランツを守り給え」でした。
1841年のドイツは1000年近い分裂から、緩やかながらも39の州(シュタット)が集
まってDeutscher Bunt(ドイツの紐帯(連合))とよばれ、一般ドイツ人は国歌(統
合ドイツ)に見立てて歌ったようです。(各州にはそれぞれのシュタットの歌があっ
た)
この歌の歌詞は3番から成っていました。(この三つが時代により、政治的に国歌
として選択された)
1番は39の州が一つに団結することを願う意味の歌詞
2番は栄光のドイツ中世の光景を歌う
3番は権利と自由と平等を39の州がドイツに期待する歌詞
この歌は1870年の普仏戦争・第一世界大戦の時にも歌われました。
この歌が国家行事の中で公式に歌われたのは1890年8月9日の事でした。(鉄血宰相
ビスマルク失脚直前)
その祝典はドイツ北部の島がドイツに返還されたことに伴ったものでしたが、その
とき演奏されたこの歌(1番の歌詞)を近隣諸国は「ドイツに世界制覇」野望ありと
とらえられ、ギクシャク関係になりました。
この歌は1922年(ドイツがラパロ条約でようやく国際社会へ復帰した年)に正式に
国歌と成りました。
1933年ヒットラーが首相となるや、1番のみが国歌となります。(特にHorst-
Wessel-Liedと呼ぶ )(勿論歌わなければ東京都は行政処分ですが、「反逆者」にな
ります)
2次大戦後国歌問題で首相アデナウアーと大統領ホイスとの間で意見の相違を見せ
ますが、(アデナウアー(3番)ホイス(新規な歌))国民の意向は1952年に3番に決
まりました。
1990年ドイツは念願の東ドイツを統合することに成功しました。ところが、ヨー
ロッパ近代史の教訓で、このようなドイツの出現は、近隣諸国にビスマルクかヒト
ラーの再現を招くという危惧を抱かせることになりかねないので、時の独大統領と
コール首相は慎重に意見を交わし、1991年9月、3番のみが国歌であることを他国に向
かって明示しました。(靖国で意固地になってる小泉さん歴史を勉強しましょう!)
3対3で延長戦になりました。まだまだ先が長いですね。勿体ないのでこの文ブログの
「私の歴史夜話」に貼り付けます。
(参考資料)
ご参考までにドイツ国歌を貼り付けます。(メキシコもガンバレ!)
1:
Deutschland, Deutschland uber alles,
Deutschland, Deutschland uber alles,
uber alles in der Welt,
wenn es stets zu Schutz und Trutze
bruderlich zusammen halt,
von der Maas bis an die Memel,
von der Etsch bis an den Belt
Deutschland, Deutschland uber alles,
2:
uber alles in der Welt!
Deutsche Frauen, deutsche Treue,
deutscher Wein und deutscher Sang
sollen in der Welt behalten
ihren alten schonen Klang,
uns zu edler Tat begeistern
unser ganzes Leben lang,
deutsche Frauen, deutsche Treue,
3:
deutscher Wein und deutscher Sang
Einigkeit und Recht und Freiheit
fur das deutsche Vaterland!
Danach last uns alle streben
bruderlich mit Herz und Hand!
Einigkeit und Recht und Freiheit
sind des Gluckes Unterpfand.
Bluh im Glanze deines Gluckes,
bluhe, deutsches Vaterland!
1:
ドイツ、すべてに上回るドイツ
全世界に冠たる国であれ
国家の保護のために力を合わせ
マースからメーメル、エッチュからベルトまで
すべてに冠するドイツであれ
2:
ドイツの女性、忠誠、ワイン、詩歌は
その古き良き評判で全世界に維持される
我々の優秀な行いは命の限り我らを陶酔させる
ドイツ人女性、ドイツの信頼、
ドイツワインとドイツの歌よ
3:
団結、正義、そして自由を
我らが祖国ドイツのために
その為に我らは心と手を通わせ全力を尽くす
団結、正義、自由は成功の礎
幸運の輝きの中で栄え、祖国の為に栄えよ
(ドイツ国歌楽譜)
高 野 啓 一
[Mail] takano-k@ad.sysken.or.jp
[Blog] http://takano001.exblog.jp/ (「やきもの」)
http://takano01.exblog.jp(私の歴史夜話)
by takano-kk
| 2005-06-30 02:50